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ロビー文学部 (24)
まとめビュー
1
生ロボット ◆E.BOFQUkFY []   投稿日:2012/01/30 22:32:04  ID:g86UgrDq(3)
落ちていたので


2
生ロボット ◆E.BOFQUkFY []   投稿日:2012/01/30 22:52:59  ID:g86UgrDq(3)
人と接するのが苦手な桜島ドア蔵にとっては、100円ショップで見つからない商品を店員に尋ねるのもひとつのハードルだった。
(もう30分も探して見つからない・・・シャワーヘッドをかけるアレって、なんて聞けばいいのだ・・・)
「あの・・・」ドア蔵は勇気を振り絞って、かがみこんで商品を陳列していた店員に声をかけた。
「はい?」若い女の店員だった。「なんでしょう」立ち上がって笑顔で応対する女に、ドア蔵の思考は予想外の混乱をきたした。
「あ、あの、僕、義務教育を受けていないんです!」ドア蔵は叫んだ。
「えっ?」女の表情が凍りついた。「ごめんなさい、困りますよね!でも僕、取り柄だけが取り柄なので!」
いつだって男を狂わせるのは女だ。だが、そんな男を助けるのも、また女なのだ。
「お客様、こちらです」女はドア蔵を案内した。
そこは、釣具を扱うコーナーだった。
「どうです。最近の100円ショップじゃこんなものも取り扱っているんですよ。だから、アナタも負けないで!」
女は笑顔で「お客様、ファイトッ!」と付け足すと、また商品の陳列に戻っていった。
ドア蔵はルアーを手にとって眺めながら(シャワーヘッドかけるアレ、なんて言うのかなー)と再び考え混むのだった。

おわり

3
名無しさん[]   投稿日:2012/01/30 22:57:00  ID:WZN1/VzC
笑った

4
生ロボット ◆E.BOFQUkFY []   投稿日:2012/01/30 23:26:19  ID:g86UgrDq(3)
「近頃のライダーは、なんか違うんだよなー」
日向猫郎は河原の土手に寝転がり、タバコをくゆらせながらぽつりと言った。冬の日差しが柔らかく降り注いでいるが、
少しでも風が吹けば肩を縮こまらせたくなるような寒さだった。
「俺が戦闘員の頃はもっと、いかにも仮面ライダー、って感じだったけど、今のあれじゃクリオネの出来損ないじゃないか」
俺は猫郎の不満がおかしくて「でも今の子供たちにとってはあれがライダーさ」とわざとなじってみた。
「おいおい、お前までそんな市役所みてえな事言うのかよ。だったら、今からやっつけに行くか?今どきのライダーってやつを」
「よせよ。何十回ライダーに殺されかけたんだよ、お前。V3の時なんか、医者が“もうダメです”ってさじ投げたんだからな。
今生きてるのが奇跡だよ」
「ハッ、何が奇跡さ!あいつらのキックを受けるのなんて手慣れたもんだよ。なんかさぁ、最近のライダーとか悪の奴らとか、
俺たちの頃と比べたら、ぬるいんだよなぁ・・・本気で何人も死んだからなぁ、あの頃は」
猫郎は遠い目で空を眺めながら、ふーっと煙を吐いた。
「今頃どうしてるんだろうな、イカゲルゲ・・・」
イカゲルゲはバロム1だよ、と猫郎に教えようとしたが、出来なかった。
猫朗の横顔に、ひと筋の涙が流れるのが見えたからだ。
「・・・じゃあさ、行こうか、猫郎」
「あ?どこに?」
「今どきのライダーをやっつけに、さ」
猫郎の、シワの多くなった顔に輝きが戻った。
「お・・・おうさ!今度こそ、俺たちがこの世界を手にするんだ!やってやるぜ!」
出撃にあたって、猫郎は常備薬を多めに貰うためにかかりつけのクリニックに行った。
俺の見守る前で猫郎は「先生、ジェネリックって悪っぽい名前ですね」とうれしそうに言った。
「インフルエンザが流行っているので、気を付けてくださいね」
先生はいつもどおりの処方箋を猫郎に渡した。
「気を付けたってライダーキックはライダーキックさ」猫郎は待合室で笑った。
死を覚悟した男の顔だった。

おわり

5
生ロボット ◆E.BOFQUkFY []   投稿日:2012/01/31 00:30:51  ID:hASD2Or6
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6
ぽっくん[]   投稿日:2012/01/31 04:04:45  ID:zPsa2LCl

__人
( ・ε・ )ライダーのが好き

7
名無しさん[]   投稿日:2012/01/31 05:32:05  ID:GkX6UBTa
いやいや、俺は断然ミカンだね

8
わふー ◆wahuu.ppsw []   投稿日:2012/01/31 07:31:18  ID:xn93uZFh

    \ /
    (_O|・|O)
    /ィ从从', }
    | |(|゚ ヮ゚ノ,''    仮面ライだーわふー
   ノノノ====)
  _//(从ト。 从
/\   ̄`J ̄ ̄ ̄\
 ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄
        | |
      / \

9
生ロボット ◆E.BOFQUkFY [sage]   投稿日:2012/02/01 00:01:41  ID:brUCtUVq(3)
早朝から、早乙女バーバラ34歳はゴミ捨て場の前に仁王立ちしていた。
(今日こそ、ルールを破る悪党を見つけてやる) 彼女は自分こそが秩序を守るものだと自負していた。
会社員や学生たちが通り過ぎ、ある者はゴミを捨てていった。
(・・・セーフ。この人もセーフ。・・・君は・・・おおっと!)
バーバラに衝撃が走った。彼女の存在をチラチラと気にしつつ、そっとゴミ捨て場にビニール袋を置い
た男子学生。彼は、少女と見まごうような美少年だった。
(君なのかい・・・?)
「君なのかい?」
心の声は、そのまま口からこだました。バーバラは立ち去ろうとする少年の袖をつかむと、
「今日は燃えないゴミの日よ・・・君が捨てたのは、資源ごみだよね?」
少年の捨てた袋から、わずかにエロ本が覗いた。
「・・・ええ。もう僕は、あれじゃ燃えないんです」
「私はそんな事を言っているんじゃないの!今日は缶とかビンとかを捨てる日なの」
「・・・あれだってそれなりにビンカンな部分を取り扱っていますよ」
(この子・・・食らいついてくるわね!)
バーバラは体の芯が熱くなるのを感じていた。
「君は・・・燃えなくなったからって、簡単にビンカンなものを捨ててしまうの!? まだ若いのに、そんな勝手な男でいいの!?・・・あっ!」
バーバラは悲鳴を上げた。少年の手が、バーバラの手首を握り返してきたのだ。
「ダメよ、私には主人がいるの・・・君にもエロ本があるでしょう・・・?」
「もう捨てた」
少年はバーバラを捉える手に力を込めて、「あなたも、ビンカンなんだろう?でも、燃えるんだったら、捨てないぜ?」
とバーバラの目を壊すほどに見つめた。
(どうしよう、この子、すごい乗っかってくるぅ・・・)
バーバラの腰がガクガクと震えた。彼女は、臨界点に到達した。
「ああああああっ!私のビンカンを、全部、持っていってぇぇぇ!」
その時ちょうど到着したゴミ回収業者が「・・・まかせとけ」とゴミを回収していった。
エロ本も無くなっていた。

おわり

10
生ロボット ◆E.BOFQUkFY [sage]   投稿日:2012/02/01 01:03:54  ID:brUCtUVq(3)
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11
生ロボット ◆E.BOFQUkFY [sage]   投稿日:2012/02/01 01:06:31  ID:brUCtUVq(3)
酔ってるから所々アレだけど、まあ、アレってことで

12
名無しさん[]   投稿日:2012/02/01 01:47:04  ID:4F9UAeMW
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13
生ロボット ◆E.BOFQUkFY [sage]   投稿日:2012/02/02 00:56:29  ID:kb9Tvxhw(3)
その1

放課後のチャイムのあと、小学三年生の上州キリオはクラスメイトの磯野ツリユキに、
「君、この前の学級通信に驚くべき記事が掲載されていたのをご存知か?」
と真剣な面持ちで話しかけた。
「驚くべき記事?給食係の岸本君が、チーズを食べおえるまで近藤君を許さなかったというのは読んだが」
「違うそれじゃない。滝沢女史のコラムだよ。あれほどの記事を見逃すとは、君もうかつだなぁ!」
ツリユキは悔しさに少し頬を染めながら「なにおう。いつも女史は、ウサギが近藤君にメンチきったなどと、
つまらない女ばなしを書くのが常ではないか」と言い返した。
「それが、今回は随分違うのさ。2組の担任の柳沢先生が、国歌を歌うのを拒否したっていう記事なんだよ。
柳沢先生ったら、アカらしいぜ」
「なに!?それは本当なのか?」
「まあ、一見しただけでマスコミを信じるのは馬鹿げているが、確かめない訳にはいくまい。滝沢女史に話を
聞きに行こうではないか」
二人は、教室の後ろの方で近藤君にあわせ鏡を覗かせて「ねえ、違う顔見える?」と都市伝説の立証を試みて
いた滝沢ツバメを捕まえて記事のことを聞いた。
「柳沢先生の記事?ええ、本当のことよ。先生は生粋の共産主義者で、自分でもシャアより赤い男って自負し
ているらしいわ。シャアより赤い男なんているわけないのにね!」
ツバメは笑いながら二人に答えた。その後ろで、あわせ鏡の中にいるはずのないモノを見てしまったらしい
近藤君が「うわあぁぁぁ!メンチきってるぅ!!」と悲鳴をあげた。
「これは一大事だ。帝国の有望な人材を育てるべく義務化されたこの小学校の場に、アカの手先が潜り込ん
でいるとは!ツリユキ、今すぐ緊急国防会議を開こう!」
「おう!じゃあ、ウシオを呼んでくる」ツリユキは隣のクラスにいる仲間、陰暦ウシオを呼びにむかった。

14
生ロボット ◆E.BOFQUkFY [sage]   投稿日:2012/02/02 01:20:42  ID:kb9Tvxhw(3)
その2

「話は聞いたよ。まさかとは思うが・・・なんの話だっけ?」
わりあい物わかりが悪いウシオは、一度の説明では飲み込みが出来ないことが多い。
キリオとツリユキから再度説明を受けると「そうだったか。じゃあ殺すか」と理解力
がそうでもない割には無駄にするどい決断力で言い放った。
「いきなり答え出したな。でも、相手は大人だぜ?我々、愛国同盟の三人だけで誅殺
できるだろうか」キリオが言った。
「なに、三人寄れば何とかと言うではないか。なんと言うのだ?」ウシオは自分の言
葉の中に謎を発見した。キリオもツリユキも、何とかが何であるのか分からなかった。
「まったく。あなた達バカね。三人っていったら、ジェットストリームアタックじゃない」
ひまつぶしに横で彼らの話を聞いていたツバメが口を挟んだ。
「女は黙っていたまえ。今、男の大事な話をしているんだ」キリオがムッとして言い返すと
「なによそれ!男尊女卑?バッカじゃない、時代遅れもいいところよ」とツバメも目を怒らせた。
愛国同盟三人とツバメが対峠するわきで近藤君は「見ないでー、こっち見ないでー!」と一人で
鏡に話しかけていた。
「あなた達のそういうところがダメなのよ!いい!?近藤先生は大人の男よ。あなた達と違って、
女だとか男だとかおかしな差別しないで、きちんと話を聞いてくれるわ」
ツバメが近藤先生を好意的に言うのに、ツリユキはカッとなった。
「お前、近藤先生が好きなのかよ!」
それは、ツリユキ自身も気づいていない、幼い嫉妬だった。

15
生ロボット ◆E.BOFQUkFY [sage]   投稿日:2012/02/02 01:48:59  ID:kb9Tvxhw(3)
その3

「・・・そうよ。だって、赤は情熱の色でしょう?」
幼くとも女は女だ。本能的にツリユキの気持ちに気づいたツバメは、自分に好意を寄せる
男に意地悪をしたくなって、心にもないことを言った。
「お前誰だよ!なんで近づいてくるんだよー!」近藤君の置かれている状況はいよいよ佳境に
入ろうとしていた。
「バカな女だ!奴はそうやって、無知なお前を真っ赤に染めようとしているんだぞ!」
「バカとはなによ!毎朝頼まれもしないのに教室の前に日の丸掲げるあんたの方がバカよ!」
「俺だけじゃなく日の丸の事をバカって言ったか!この非国民め!」
「なにをどう聞いたらそうなるのよ!日の丸は日の丸であなたがバカなのよ!」
ツバメとツリユキの痴話喧嘩を尻目に、キリオとウシオは「ジェットストリームアタックのやり方」
の打ち合わせを始めた。
「なんだよもう!お前、真っ赤っかになっても知らないからな!」
「あらあー、真っ赤になってるのはツリユキ君のお顔の方じゃないのォ?鏡を見ていたら」
ツバメの笑みの中に、男の想いを手にした喜びが疼いていた。
「さあ、ほんとに見てみなさいよー。近藤君、鏡返して」
ツバメが振り返ると、近藤君が血まみれで真っ赤になっていた。
「・・・あぁ、時が見える・・・」近藤君は、見えちゃいけないものが見えていたのだ。

おわり

16
生ロボット ◆E.BOFQUkFY [sage]   投稿日:2012/02/04 00:55:27  ID:LHkNF50X
グミ子は父無し子のアバズレだった。いつも挑発的な赤い服を着て、気に入った男とセックスをして、
不法滞在の外国人から麻薬を買い、明け方にはたいていベッドの中でラリッていた。
ある日の昼前グミ子は、前日に使いすぎた魔法の薬の影響で過度にファンタスティックした思考で、
(そうだ・・・フランスに行ってゲイの友達を作ろう・・・)と思い立ち、昨日知り合った横浜で
ひよこ販売店を営むモヒカンの男を残してベッドを出た。
グミ子は赤いコートを羽織り裏通りを歩き、道の端でダンボールに車っていた浮浪者に
「ボンジュール。本日はお日柄も良くてね。これはご祝儀なの」となぜか単4の乾電池をプレゼントし、
「ねえアナタ知ってる?地球って回ってるのよ。きっとアナタには関係ないでしょうけど!それじゃあ、
ご機嫌よう!」と浮浪者に一発ビンタして、公園に行った。
晴れた冬の日の公園では、家族連れや恋人たちがまばらに、寒さに肩を寄せ合いながら、それぞれの
ささやかな時間を過ごしていた。
(あたしぃー、日陰がいいぃー)グミ子は近くを歩いていたローティーンの少年の襟を無言でつかむと、
枯れ色の茂みの中に引きずっていき、「なんですかっ?」との狼狽するのを無視し、強引にフェラチオした。
「うあぁ!う、うああああ!」大混乱する少年に、「お黙り、この田舎者め!今から死ぬまで二度としゃべるな!」
と言った。
「意味がわかりません!」少年は涙目になりながら、「でも、ありがとうと貴女に言いたい!」と食いしばった歯の
間から感謝の呻きを漏らした。
「いや、言いたいんなら言いなさいよ!直接、私に言いなさい!」「ありがとうございます!」
「てめえ、死ぬまでしゃべるなって言っただろ!」グミ子はいっそう激しくフェラチオをした。
少年が手話で(ありがとう、ありがとう)とグミ子に伝えた。
(いいえ、どういたしまして!)グミ子はウィンクした。ジュテームしてその場に崩れ落ちた
少年に「ねえ、君は地球が回っているって、知っていた?」とグミ子は聞いた。
(回っているのは、空)少年は手話で答えた。
グミ子は頷いた。そう、いつでも回っているのは空だった。

おわり

17
生ロボット ◆E.BOFQUkFY [sage]   投稿日:2012/02/07 22:23:39  ID:sUXNZhJ8
「いあ いあ ふんぐるい むぐるうなふ・・・」
学校からの帰り道、ミカンが口ずさむ奇妙な歌を聞き流しながら、
「ねえミカンちゃん、ミカンちゃんは好きな男の子とかいる?」
YUIはためらいがちにミカンに聞いた。枯れ色の田んぼのあぜ道で、晴れた冬の日はことさら風が冷たい。
「くとぅるふ るるい・・・え?なに?好きな人、とか?とかの方でよかったらいるよ。アイユーブ朝のサラディンは十字軍との戦いで・・・」
「ごめん、言い直す!好きな人、いる?」
改めて聞かれると、ミカンははっとした顔でYUIを見たあとうつむき「・・・いやいや、クラスメイトにはさすがに言えないっスよ・・・」とつぶやいた。
横顔に見えるミカンの頬と耳が赤く染まっていくのに(分かりやすい子だな)とYUIはお姉さんのような気持ちになりながら、
「私はいるよ・・・」とやや挑戦的に告白した。
「・・・ッタァッ!」瞬間、ミカンは自らの体を抱きしめながらその場にうずくまった。
「ど、どうしたのミカンちゃん!?」心配するYUIに、
(まさか・・・ことと次第によってはここで大切な友達のYUIちゃんを殺める的な展開に発展するの!?ママが買ってくれた
お姫様手袋のおかげで指紋はつかないだろうけど、白に返り血はコナンじゃなくても犯人確定・・・)
様々な思考が入り乱れるミカンに、YUIはなにかを試すように、言葉をつないだ。
「同じ学校の男の子なの・・・ミカンちゃんも知ってるよ」
それを聞いた瞬間、ミカンは覚悟を決めた。スクっと立ち上がったミカンは、左手のお姫様手袋を脱がして右手に握り、いつでも
宣戦布告の「手袋を投げつけるアレ」が出来る準備をして、
「YUIちゃん!YUIちゃんが好きな人って、誰!?」と怖い目をした。
「・・・1組の、ラインハルト先生」
「男の子、じゃないし!それに妻子持ち、ハードル高ッ!」想い人が被らなかった安心感と、予想外のカミングアウトに、ミカンは
思わず叫んだ。
「そうだよね・・・奥さんと子供がいる男の人、好きになっちゃいけないよね・・・でも止められないんだ、この気持ち」
YUIは寂しげに言った。
「わかるよ、YUIちゃん。私が好きな人も、実は彼氏がいるの。男同士なんて変だよね。でも、そんなところも好きなんだ・・・」
「・・・それもどうかと」
少しの沈黙のあと、ミカンは「二人の好きな人を足して割ったら、妻子持ちのバイセクシャルだね!」
強がった笑顔で言った。
(だったら私は、割り切れなかった余りの部分が欲しい)YUIは思うのだった。

おわり

18
生ロボット ◆E.BOFQUkFY []   投稿日:2012/02/09 00:31:50  ID:kh5iUTz8(2)
バルカン砲の音が遠くの山まで響きわたる。
ミカンの祖母は、先日ウサギに食われた左腕の義手を作る際、「そうや、武器つけよ」と思い立ち、
腕のいいドイツ技師に頼んでM61バルカン砲を作成して取り付けたのだ。
「害獣がぁ!」
畑を荒らす土中の小動物に老婆の怒りの弾丸が叩き込まれる。その激しい戦闘音を聴きながら、ミカンは
自分の部屋で(あの老いぼれめ、忌々しい・・・)と眉を曇らせながら苦い時間を過ごしていた。
「ミカンー、YUIちゃん来たわよ」
母の声にベッドから飛び起きて、ミカンは玄関に友人を迎えに出た。
「いらっしゃい」
「こんにちは。なんか、おばあちゃんすごいね。畑で鉄砲みたいなの撃ってたよ」
「もうっ!ウサちゃんが腕じゃなくて頭食べてくれればよかったのに!今日はうちうるさいから、外出よ」
ミカンはYUIを伴って家を出ると、「どこ行く?」と尋ねるYUIに「しまむらに行こ」
と言った。「この前ね、しまむらで紫のパンツ見つけたの。紫よ。冠位十二階でトップよ。480円」
「・・・派手じゃない?」
「妻子持ちの男を誘惑するんだったら、それくらいの攻撃性は必要よ!奥さんと子供を心中させるくらい
の覚悟は出来てるんでしょ」
「そこまで考えてないよー・・・」YUIはドン引きしながら、「でも、彼が私のものになるのだったら、
日教組くらいは敵にまわしても構わない」と心のうちを明かした。
「ふふ、YUIちゃんも一途だなぁ。YUIちゃん、いつも生理だよね!」「・・・いや、それはまだ・・・」
「じゃあ赤!冠位十二階の5位、情熱と血の赤!赤いパンツ買おう」
ミカンは気後れするYUIの手を引いてしまむらに入ると、近くにいた店員の20代の女に、
「すみません、攻撃力の高いパンツはどこですか?」と聞いた。ませたミカンの物言いがおかしかったのだろう。
店員は優しい含み笑いで「こっちですよ」と二人を案内した。
「これが、今お店で一番攻撃的な下着ですよ。うぶな男の子なんかイチコロ!」
店員は自信満々だったが、バルカン砲付きのパンツが陳列されているのに少女たちは驚愕した。
「これはいてると、男の子感覚が少しわかるのよ。私も今、はいてるの」店員は言った。
480円だった。

おわり

19
生ロボット ◆E.BOFQUkFY []   投稿日:2012/02/09 01:40:51  ID:kh5iUTz8(2)
子供のころから手先の起用だったリシュリーは、ジオン士官学校を卒業後、ザクのパイロットとしてマ・クベ大佐の下に配属された。
戦闘の無い日、宿舎の自室で同人漫画を描いていたリシュリーのもとに、同僚のタレイランが訪ねてきた。
「なあリシュリー。上官殿のMSを見たか?」
「いや・・・新型か?」
「そうだ。ロビンマスクをふた周りくらいダメにしたデザインの、いけ好かないMSだ。上官殿はあれでガンダムと戦うらしいぞ」
リシュリーは「バカな!」と吐き捨てた。「上の奴らはザクをなんだと思ってるんだ!ザクこそがジオンの象徴、宇宙世紀の大傑作ではないか!
この前ザクを操縦して料理を作ってみたが、ちゃんと作れたんだぞ。とてもじゃないがグフやドムでは不可能だ」
タレイランは興味をそそられた。「ほう、ザクで料理。そんな細かい作業が可能なのか?」
「当たり前だよ。しかも人間サイズのキッチンで、だぜ?食べてみるかい」
リシュリーは冷蔵庫からサランラップでふたをされた焼きそばを取り出すと、レンジにかけた。
「すごいなリシュリー。お前、MSの操縦だけじゃなくて料理もできるのか」
「勘違いするなよ。俺ができるのはMSの操縦だけだ。焼きそばをつくたのは、ザクさ」
レンジで温められた焼きそばがタレイランの前に出された。
焼きそばをすすったタレイランは、
「うまいッ・・・!これが、MSの作った焼きそばだと言うのか・・・」と身を震わせた。
「そうさ。麺の手打ちからソースの調合までザクで仕上げたものだ。上官の新型とやらに、
これと同じものが作れるのかい?」
「無理に決まっている!上官殿のMSじゃ、ペヤングの湯きりすらままならないだろう。
わかってはいたが、ザクの性能がこれほどとは」
「・・・上官殿にも気づいて欲しいものだな。本当のMS、本当の味というものに!」
リシュリーは悔しそうに言った。
その二日後、二人の上巻である、マ・クベ大佐は連邦軍の白いアレに撃破され、大佐も死んだ。
後日、二人はマ・クベが死んだ場所に花と焼きそばを供えた。
コロニー内に吹く風が、焼きそばに砂を被せながら、少しずつ麺を冷やして油を固めていった。
戦争が終わるのは、それから数箇月後のことだった。

おわり

20
⌒(..tora)⌒[]   投稿日:2012/02/11 05:25:14  ID:eXvKLDro
クトゥルーからガンダムまで

21
生ロボット ◆E.BOFQUkFY [sage]   投稿日:2012/02/12 17:20:50  ID:PoRirEMB
日が出ているうちにと思い、玄関で石油ファンヒーターの給油を済ませタンクについた灯油を雑巾で拭いていると、
何気ない記憶がよみがえった。
実家を出て一人暮らしを始めた昔、自分で買ったタオル。親のもとで生活していると、タオルを自分で購入すること
なんてなかった。しかし、家から持ってきたものでは足りなかったのだろう。アパート近くの、確かプレハブのような
お店で買った、MICHIKO LONDONと刺繍されたチョコレート色のタオル。
タオルは20年近い時間をかけて色あせ、いつしか四つ折りで縫いつけられ、今、僕の手の中で灯油のタンクを拭くために
使われている。
初恋が唯一の恋愛であると言われるのは至言である云々・・・、ゲーテの格言だ。だとすると、僕の人生の中で最高のタオルは、
今や灯油が染み込んで他の用途には使われることのなくなった、このMICHIKO LONDONだ。
いつかMICHIKO LONDONも僕の手から離れていくのだろう。初恋と同じように。
最高のものが最適であるとは限らない。
キッチンで夕飯の準備をしている女を思い、僕は部屋に戻った。部屋を暖めなければいけないのだ。

おわり

22
生ロボット ◆E.BOFQUkFY [sage]   投稿日:2012/03/02 01:49:55  ID:G9TYETGM
いよいよ戦況はジオン軍の敗勢濃厚となってきた頃、辺境のコロニーでは、補給の行き届かない部隊が多くあった。
「おい、聞いたか」同僚が最近お決まりになったうんざり顔で高原テングに話しかけてくる。
「聞いたって何をだ?モモクロなんとかか?」「違うよ。こんな時に歌なんか聞いていられるか。本国に催促して
たMS補給が今日届くらしいぞ。もうこの部隊にはまともに動けるMSなんか1機もないんだからな」
そうだった、とテングは思った。部隊のエースパイロットであるテングのザクも、すでに松葉杖をつかないと歩けない
ほどガタが来ている。いま連邦軍の攻撃を受けたら、ここは一溜りもないのだ。
しかし、その日に届いた本国からの補給は彼らの期待を裏切ったものだった。
「なんてこった!ママチャリだと!?連邦の部隊はコロニーに侵入して、すでに展開してるんだぞ!」
テングの上官の、岡山マルオ少将は悲鳴を上げた。「ええい、しかたない!テング、ママチャリで出撃してくれ!」
「少将殿、ママチャリでどうやってジムを倒すのでありますか!?」
「お前はここのエースなんだぞ、弱気になるな!見ろ、ハンドルの右にベルがついているだろう?音速で放たれる
鉄の高音を連邦の奴らに叩きつけてやるんだ!」
テングは死を覚悟した。
コロニー内の市街を抜け、宇宙港付近の街道をママチャリで疾走したテングは、道を塞ぐジムに出くわした。
「どけやコンガキャー!ぶっ殺すぞ、テメェ!」
テングは叫びながら激しくベルを鳴らした。鉄の咆哮がジムの白い機体に当たり、傷ひとつ付けぬまま跳ね返される。
『あっ、すみません。今、どきますから・・・』
ジムのパイロットは謝りながら道をあけた。
港に到着したテングは、眼前に広がる宇宙を眺めながらタバコをふかした。
(俺にどうしろって言うんだ!)
宇宙空間に、おかしな一筋の閃光が見えた。
(あっ・・・あの光、超不吉・・・でも今更俺には関係ねえし)
テングはママチャリで市街に戻り、イオンでカップ麺を大量に購入して自宅に戻った。
それから3日間引きこもっていたテングだったが、ラジオでジオンが敗北したのを知って、次の職を探すために
ハローワークにママチャリで向かった。
頬に当たる風が気持ち良い。テングは思わず(ジーク・ママチャリ!)と心の中で叫んだ。
前輪の振動が腕に伝わる。作り物の青空の下、アスファルトの小さな凹凸に揺らされ、ママチャリのベルがチリンと鳴るのだった。

おわり

23
名無しさん[sage]   投稿日:2012/03/11 11:08:25  ID:ObWnz+It
なにこの爽やかな短編。映画化したい。

24
生ロボット ◆E.BOFQUkFY [sage]   投稿日:2012/04/15 00:51:24  ID:rqKsocYz
tes
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